北海道大学

その他

終戦前後にも活発な研究活動

北海道大学総合博物館2階の北の端に「科学技術史資料」を展示したコーナーがある。その一隅にあるガラスケース内に、一冊のノートが、ページを開いた状態で展示されている(写真参照)。 理学部生物学科の助教授であった牧野佐二郎が、敗戦前後の1940~45年10月に、読んだ科学文献の要点や、研究会での報告内容などについて書きとめたノートである。 開いてあるページの右上には小さな紙切れが貼り付けられている。かな...
その他

研究室の歴史

北海道大学で連綿と行なわれてきた、科学史の教育・研究についてまとめました。北海道帝国大学の時代から今日までをカバーしています。
中谷宇吉郎

石黒資料

前回の記事「ボーデン社を訪れた背景」で、中谷宇吉郎が石黒忠篤に宛てて書いた書簡に言及した。この書簡を含む「石黒資料」について記しておこう。拙著『中谷宇吉郎 人の役に立つ研究をせよ』(ミネルヴァ書房)のp.324で<石黒資料>と表記したものである。 戦前から敗戦直後にかけ農林官僚・政治家として活躍した石黒忠篤(1884-1960)は、1942年8月に半官半民の組織として東亜農業研究所を設立し、その理...