サンガー夫人

福山甚之助と新聞「家庭」

サンガー夫人の来日

『福山甚之助と新聞「家庭」』の第7章第1節(168頁)で「サンガー夫人の来日」に言及した。この件については、以下の記事で詳しく書いた。 サンガー夫人の来日(1)サンガー夫人の来日(2)サンガー夫人の来日(3) 『山峨女史産児制限法批判』という、生物学者の山本宣治(1889-1929)が書いた著書についての記事も参考になるだろう。 『山峨女史産児制限法批判』を読む 補足一覧へ
福山甚之助と新聞「家庭」

『山峨女史産児制限法批判』を読む

『山峨サンガー女史産児制限法批判』を、国会図書館の「個人向けデジタル化資料送信サービス」で読んでみる。 山本宣治著『山峨女史家族制限法批判』国立国会図書館デジタルコレクションより 表紙の右下に赤字で「以印刷代謄写」すなわち「印刷を以て謄写に代える」と記されている。 当時、「文書図画を出版するとき」は発行日の3日前までに製本2部を添え内務省に届け出る必要があった(1893年の出版法第3条)。そして場...
福山甚之助と新聞「家庭」

サンガー夫人の来日(3)

1922年に初来日したサンガーは、その後も何度か日本を訪れた。 初来日から14年後の1936年3月、インドやマレーシアの各地で産児制限の講演をして米国へ帰る途中、日本に立ち寄った。しかし新聞も「サンガー夫人がヒョッコリ忘れられて居た顔を現わした」と書いたくらいで、大きな話題になることはなかった。石本静枝に会い、講演を1回しただけで、すぐにホノルルへと向かった。産児制限に賛成していた神近市子(注1)...
福山甚之助と新聞「家庭」

サンガー夫人の来日(2)

産児制限について日本で講演しようとするサンガーに対し日本政府(の一部)は警戒心を抱いた。しかしサンガーの著作物(図書や論文)はすでに、来日の少し前から次々と翻訳され、国内に出回るようになっていた。そしてサンガーが日本に上陸した後の3月14日からは読売新聞が、彼女が途中ハワイに立ち寄ったときに行なった産児制限の講演を、「内務省当局の理解ある検閲を経」て4日間にわたり文芸欄に連載した。 日本に滞在中の...
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サンガー夫人の来日(1)

国会図書館のデジタルコレクションで『山峨サンガー女史産児制限法批判』を読むに先立ち、サンガー夫人の来日の経緯についてざっと調べてみた。同書は、彼女の来日を機に出版されたものだからである。 アメリカの産児制限運動指導者であるサンガー夫人(Margaret H. Sanger; 1879-1966)については、伝記などがあるものの、1922年に日本を初めて訪れたときの様子については詳しく述べられていな...
その他

個人向けデジタル化資料送信サービス 利用した感想

国立国会図書館で「個人向けデジタル化資料送信サービス」が5月19日より始まった。同図書館がデジタル化した資料のうち、大学図書館や公立図書館などに出向けば閲覧できたものが、自宅でも(個人でも)閲覧できるようになったのだ。さっそく、前々から見たいと思っていた『山峨女史家族制限法批判』(1922年)など何冊かを閲覧してみた。 これまでも、大学図書館に行けば、そこに設置されたパソコンで閲覧できた。だが、図...